
なんとなく某旅行社のメルマガを見ていたところ、SASことスカンジナビア航空のプレミアムエコノミークラス「SAS PLUS」が安くてそこそこ使いやすそうだったので調べてみました。
スカンジナビア航空(SAS)とは
スカンジナビア航空は名前の通りスカンジナビア半島にある3つの国(デンマーク・スウェーデン・ノルウェー)が共同出資している航空会社です。
エコノミークラスではあまりいい評判を聞いたことがなかったので、どうかな?と思いつつも、2015年末には日本路線で利用されているA340型機が改修されたことや、コストパーフォーマンスの高さで今回注目してみました。
公式サイトにデカデカとこう表示されています。日本〜欧州のプレミアムエコノミークラスがまさかの13万円台から…しかも税燃サ込みとのことです。安いですね。

北欧という立地は日本人の多く行くロンドン・パリ・フランクフルトなどへの飛行経路から大きく外れないところにあるので、北京乗り継ぎや他のヨーロッパ域内での乗り継ぎと比べても時間的なロスが少なくて済みそうですし、これが本当なら悪くない気がしてきました。
「SAS PLUS」の快適なシート

公式サイトの写真を拝借すると、実際のシートはこのような感じだそうです。ANAのプレミアムエコノミークラスと比べるとシートの形状は余り変わりなさそうですね。シートライトが無いくらいでしょうか。数値で比べてみると次のとおりです。
ANA プレミアムエコノミー | SAS プレミアムエコノミー (SAS PLUS) |
|
---|---|---|
シートッピッチ | 38インチ(約97cm) | 38インチ(約96cm) |
座席幅 | 19.3インチ(約49cm) | 19インチ(約48cm) |
シートテレビ | 11インチ (B787-9) 10.6インチ (B787-8/B777-300ER) |
12インチ |
シート配列 | 2-3-2(B787) 2-4-2(B777-300ER) |
2-3-2 |
※ 航空会社公称値
ほとんどANAのプレミアムエコノミークラスと違いはありませんね。一般的な広さと言えるでしょうか。特にこの時点で不満はありません笑 最前列にはレッグレストもあるそうなので、ANA同様に足元が広い席が好みならば最前列が良さそうです。
「SAS PLUS」では3コースから機内食が選べる

機内食やドリンクサービスについては公式サイトをいろいろと見て回っても具体的な内容やエコノミークラスとのサービスの違いがいまいち分かりません。
搭乗記を書かれている方の記事を読む限り多少の違いはありそうですが、やはりANAやJAL同様に少し差別化しているくらいだと思われます。公式サイトにも プチプレミアムな体験 と書いてありますからね笑
『SAS Plus 搭乗記(スカンジナビア航空、プレミアムエコノミー)』コペンハーゲン(デンマーク)の旅行記・ブログ by まんださん【フォートラベル】
SASーPLUSでコペンハーゲン(CPH)より帰国の途に。 – スカンジナビア航空 クチコミ | FlyTeam(フライチーム)
「SAS PLUS」は機内インターネットが無料

ANAやJALなど日系航空会社はビジネスクラスやファーストクラスに乗っても機内インターネットサービスを無料で利用できないという残念仕様ですが、スカンジナビア航空ではSAS PLUSやSAS BUSINESSに搭乗すれば機内Wi-Fiを利用して無料でインターネットに接続することが可能です。
なおこの機内Wi-Fiサービスとは別に3Gローミングサービスも提供しており、調べてみるとNTTドコモやソフトバンクなどローミングの提携をしている通信会社の端末を持っていれば電話、SMSなども利用できるようです。(ただし海外パケットし放題等の対象外なので利用はおすすめできません)
電源も各席に用意されているので、PCを開いて作業をすることもできるようになっています。通信速度については不明ですが、ちょっとしたメール送受信くらいできればそれだけでもありがたいですね。
「SAS PLUS」なら預入手荷物が23kg×2個まで無料

SAS PLUSでは、最大23kgの荷物を2つまで無料で預けることができるんです。日本人のヨーロッパ滞在期間は1週間〜10日前後が多いと勝手に想像していますが、そのくらいの期間であれば冬季であっても1人あたりスーツケース2つ預けられれば安心ですね。
機内持ち込み手荷物は最大8kg×2個までOKということで、小さいなスーツケースやバックパックなど、預入手荷物に入り切らない荷物や予備の衣類、貴重品なども重量制限の心配なく持ち込めそうです。
ただし重量オーバーに厳しい航空会社かどうかは分かりませんので、荷物がたくさんだよ!という方は事前に重量を測るなど余計な出費とならぬよう気をつけましょう。
「SAS PLUS」の空港内各種優先サービス

個人的に1番驚いのはこちら。プレミアムエコノミークラスなのに
- プライオリティチェックイン(優先チェックインカウンター)
- セキュリティ優先レーン「FAST TRACK」(優先保安検査)
- 機内への優先搭乗
の3点がサービス提供されていること。
ここ数年でANAもプレミアムエコノミークラス用の優先チェックインカウンターを設置していますが、混雑しているとエコノミークラスと一緒にされるので、もしビジネスクラスカウンターが利用できるのならメリットが大きいですね。
特にANAダイヤモンド・プラチナ・スーパーフライヤーズカード保有者などのスターアライアンスゴールドメンバー、いわゆる上級会員ではない方にとって優先チェックインカウンターは重要で、これがあるだけでも空港でのストレスを軽減することができると思います。荷物が増えがちなヨーロッパ旅行では特にありがたいですね。
そして1番ありがたいのはセキュリティ優先レーン「FAST TRACK」の利用OKという特典。公式サイトを確認する限りかなり多くの空港で利用できるようです。

スターアライアンスゴールメンバーでもFAST TRACKなどセキュリティ優先レーンが設置されていない、対象外などで優先保安検査を受けられる機会が少ないアジアと違って素晴らしいですね!
「SAS PLUS」でSASラウンジ利用可能

最近プレミアムエコノミークラスの業界標準特典とも言えるラウンジへのアクセス権。スカンジナビア航空のSAS PLUSでも「SAS LOUNGE」というラウンジにアクセスできるようです。
ラウンジの一覧はこちら。SAS LOUNGEに✓が付いている空港で利用可能です。

SAS PLUSではSASが保有する自社ラウンジのみ利用可能とのことですので、ヨーロッパのラウンジはパリ以外すべて北欧地域にしかありません。そのため日本から乗り継いでヨーロッパ各地に飛ぶ場合、パリを目的地とする場合以外は復路では乗り継ぎ空港だけしかラウンジが利用出来ないということになります。
ただし乗り継ぎのときにラウンジが利用できることが1番のメリットと言えるでしょうから、そこまで大きなデメリットではないですね。十分ありがたいサービスです。
1番気になるヨーロッパまでの運賃は?
スカンジナビア航空は成田空港に就航していますので、出発空港は成田になります。目的地はヨーロッパ各地・主要空港はおおよそ対応しているので自分の行きたい地域で検索してみましょう。ここではANAのヨーロッパ直行便就航地を調べてみました。
各主要地域までの運賃
①成田 → コペンハーゲン → ブリュッセル(参考運賃:¥135,930)

②成田 → コペンハーゲン → パリ(参考運賃:¥137,090)

③成田 → コペンハーゲン → ロンドン(参考運賃:¥158,310)

ロンドンが高いのは諸税が他国と比べて高額なためです。
④成田 → コペンハーゲン → フランクフルト(参考運賃:不可)

復路にSAS Plus Saver運賃の設定がなく実質利用不可。Googleフライトでは出てくるのですが、SASのサイトやExpediaなどに移動すると選択できなくなります。
⑤成田 → コペンハーゲン → ミュンヘン(参考運賃:¥154,730)

⑥成田 → コペンハーゲン → デュッセルドルフ(参考運賃:¥173,910)

いずれの目的地も約13万円〜17万円に収まっており非常にお得な運賃と言えそうですね。エコノミークラスではなくプレミアムエコノミークラスのチケットですから!
お得なチケットの探し方
なお今回調べた中ではブリュッセルが一番安く、約13.6万円と広告どおりの金額でした。他の区間はこのくらい安い運賃があるかもしれませんが、僕が2018年2月〜3月で簡単に探した範囲では見つけられませんでした。(見落としている可能性はあります)
もしこの運賃でヨーロッパに行きたい!と思われた方はGoogleフライトを利用して検索することをオススメします。スカンジナビア航空のプレミアムエコノミークラスに限定して2ヶ月ごとにお得な運賃を検索することができます。

SASの公式サイトでは複数の日程を同時に検索する機能が不便で、更にスマホサイトもありません。ぜひGoogleフライトで検索してみましょう。ちなみに上記画面を出したときのURLはこちらです。
スポンサーリンク
ANAマイレージクラブへのマイル積算率
今回の運賃ルールはこちらのとおりです。
SAS Plus Saver 運賃
予約クラス | A/P 諸税を除く運賃相当額が15万円前後のものはおおよそAです。後述の方法で確認しましょう。 |
変更 | 予約変更の場合には、手数料が必要となります。 |
払戻 | 旅行開始前は、お支払いいただいた運賃から手数料を差し引いた金額、燃油サーチャージの全額を払戻します。旅行開始後は、運賃と燃油サーチャージのいずれも払戻しいたしません。 |
子供割引 | 2~11 才は、25% 割引。 0~2才は、90%割引。 税金、手数料は割引対象外です。 |
アップグレード | アップグレードの場合、予約クラス運賃と上位クラス運賃との差額分を申し受けます。 ※ANAのマイルを利用したアップグレードは出来ません(対象外予約クラス) |
最低滞在日数 | 国際線第1区間から4日以上 |
予約クラスの確認方法
自分が購入しようとしている運賃の予約クラスは下記手順で確認できます。
①価格が表示されている部分にある「SAS Plus Saver」という文字をクリック

②簡単な運賃ルールが表示されるので、「運賃規定の詳細を表示」をクリック

③「ペナルティー&サーチャージ」をクリックして、BK: の後に続く英字1文字が購入しようとしている航空券の予約クラスです

AMCでのマイル積算率

ANAマイレージクラブ(AMC)でのスカンジナビア航空 予約クラスA/Pのマイル積算率は100%です。プレミアムポイントも同様に100%+400PP/区間の積算となり、ANAグループ運行便ではないためANAプレミアムメンバーやANAカード保有者のボーナスマイルは付与されませんので注意しましょう。
航空会社により区間マイル数が微妙に異なるため正確な数字は分かりませんが、マイル計算機を利用することで大体の獲得マイル数は把握することが可能です。

Mileage Calculator – WebFlyer :: The Frequent Flyer Authority
例えば、成田→コペンハーゲン→ブリュッセルの場合は上図の通りなので
- 獲得ANAマイル:約11,758マイル
- 獲得ANAプレミアムポイント:約13,358プレミアムポイント
※スターアライアンス運航便分として積算されます
となります。運賃が約13.6万円なので単価は約10.2円程度となりそうです。
まとめ
ANAと同じスターアライアンスに加盟するスカンジナビア航空を利用したヨーロッパ往復プレミアムエコノミークラスが約13万円〜約17万円で利用できるこのSAS PLUS運賃はお得と言えそうです。
ANAのプレミアムエコノミークラスに乗ろうとした場合、冬季の現地5日間滞在ルールが適用されるキャンペーン運賃でも最安19万円台となります。直行便ではありませんが、この時点で約6万円程度のアドバンテージがありますね。

もちろんANAの直行便は楽ですし日系航空会社として安心出来ます。しかしこれだけ運賃の差額があるのであれば、是非海外の航空会社も積極的に使ってみたいですよね。
みなさんも機会があれば上手に使ってみて下さい♪